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EVに関するアンケートからみえる充電インフラとしての機械式駐車場の役割

EVに関するアンケートからみえる充電インフラとしての機械式駐車場の役割

年々、電気自動車(EV)の普及・需要の高まりが見込まれるなか、「充電インフラをどう整備するか」は、建物設計や駐車場計画における重要な検討テーマになりつつあります。
IHIパーキングスクエアでは、EVを所有し、ご自身で運転している全国18歳以上の男女400名を対象に、充電行動や駐車場選びに関するアンケート調査を実施しました(調査委託先:株式会社アスマーク、調査期間:2026年2月20日〜2月26日)

本記事では、こちらの調査結果をもとに、EVユーザーの実態と、充電インフラとしての機械式駐車場が果たす役割について探ります。

FY2025 EVに関するアンケート調査結果
調査委託先:株式会社アスマーク
回答者:EVを所有しご自身で運転している全国18歳以上の男女400名
調査期間:2026年2月20日~2月26日
調査手法:インターネット調査

EVの購入理由はどう変わっているのか

かつてEVは、「環境への意識が高い一部のユーザーが選ぶ車」というイメージが強くありました。しかし、購入動機のデータを見ると、その実態は大きく変わってきています。

EV購入動機(複数選択可回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

2025年度の調査では、購入動機の1位は「政府による購入補助金や税制優遇の有無」で57.5%。一方、2021年度に1位だった「環境問題」は57.5%から46.0%へと低下しています。代わって「デザイン」や「車両価格の低下」を理由に挙げる回答が増加傾向にあり、EVが経済的・感覚的な選択肢として広がってきていることがわかります。

つまり、EVを選ぶ理由は「使命感」から「合理的な選択」へとシフトしつつあります。この変化は、EVを利用するユーザー層の広がりを示すとともに、充電インフラや駐車場に求められる役割にも大きな影響を与えています。

EVは「特別な車」から「毎日の足」へ

EVの使われ方も、かつての「遠出や特別なドライブ」から「日常の移動手段」へと変化しています。

EV使用用途(複数選択可回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

用途別では、2025年度において「買い物」が89%でダントツの1位。「送迎」と「レジャー」がともに51%で続きます。一方、「ドライブ・旅行」は減少傾向にあり、EVが生活圏内の移動を担う車として定着しつつあることがうかがえます。

次の走行距離のデータも、この傾向を裏付けています。1日あたりの平均走行距離は2025年度で30.7km。さらに、回答者の約8割が1日40km以下に収まっています。長距離を走る機会よりも、近場を毎日こまめに走るという使い方が主流です。

1日あたりのEV走行距離(数値記入回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

EVが「毎日の足」である以上、充電もまた「特別な場所でまとめて行うもの」ではなく、「日常生活の中で自然にできるもの」であることが求められます。この視点が、駐車場における充電インフラの整備を考えるうえで重要な出発点となります。

EVユーザーの充電は「夜間の自宅」が主流に

では、EVユーザーは実際にどこで充電しているのでしょうか。
次のデータによると、2025年度において、充電場所の1位は「自宅」で52%。商業施設(15%)、カーディーラー(13%)と続きますが、自宅での充電が圧倒的な主流であることがわかります。

EV充電場所(複数選択回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

さらに次のグラフからは、充電の開始時間は22時〜0時にピークがあり、終了時間は6〜7時に集中していることがわかります。
「就寝前にプラグをつなぎ、翌朝までに充電を終える」─そんな「夜間充電」のパターンが定着していることがデータとして表れています。平均充電時間は約7.7時間という結果も出ており、まさに就寝時間と重なります。

自宅でのEV充電:開始時間と終了時間(開始時間と終了時間の選択回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

充電頻度は「週1回程度」が最多(29%:図表は後掲の「EVの充電頻度」にて)ですが、「ほぼ毎日」充電するユーザーも微増傾向にあります。走行距離が短い日常使いであっても、定期的に充電を行う習慣が根付いてきていることがわかります。
こうした実態が示すのは、EVの充電に必要なのは「駐車している時間をそのまま充電時間として使える環境」だということです。機械式駐車場が充電インフラとして注目される背景には、この「駐車=充電」の発想があります。

「充電できる駐車場」が、施設の選択基準になる

2025年度、外出先を充電設備の有無で選ぶ割合は50.5%と、2023年のピーク(61.5%)から低下しました。一方で、持ち家でも集合住宅(マンションなど)に住むユーザーに絞ると、63.2%が移動先の充電設備を考慮すると回答しており、全体の傾向とは対照的な結果となっています。

自宅での充電環境が整いにくいこのグループにとって、外出先の充電設備は依然として施設選びの重要な判断基準となっているのです。商業施設や宿泊施設において、充電設備の整備は「あれば便利」から「なければ選ばれない」へと変わりつつあります。駐車場の充電対応は、集客戦略の一部として捉える視点が今後ますます重要になるでしょう。

充電設備の有無による商業施設・宿泊施設・駐車場の選択する人の割合(1つ選択回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

集合住宅こそ、充電インフラの整備が問われる

一戸建て居住者と比べたとき、集合住宅(マンション)居住者のEV充電に関する課題はより切実です。

充電頻度のデータを見ると、持ち家・一戸建ての居住者では「ほぼ毎日」充電しているユーザーが多い一方、持ち家でも一戸建て以外(マンション等)の居住者はその割合が低くなっています。自宅に充電設備がないため、充電の機会そのものが限られている実態がうかがえます。

EVの充電頻度(1つ選択回答)

(出典)FY2025 EVに関するアンケート調査結果

また、外出先の充電設備を考慮する割合がマンション居住者で高いことは、前章でも触れた通りです。自宅で充電できない分、移動先の充電環境に頼らざるを得ない状況が、数字に反映されています。

アンケート回答者のなかで、次もEVの購入を希望するユーザーは7割を超えている結果も出ており、EV需要は今後も継続することが見込まれます。

集合住宅においては、建物設計の段階から充電インフラを計画的に組み込むことが、居住者の満足度や資産価値の維持にも関わる重要な課題です。既存の機械式駐車場においても、改修・リニューアルのタイミングでEV対応を検討することの必要性が、着実に高まっています。
※機械式駐車場の改修やリニューアルについては、機械式駐車場は本当に「金食い虫」?改修・リニューアルで資産価値を高める判断基準と進め方のコラムも併せてご覧ください。

機械式駐車場が充電インフラとして果たす役割

前章までのデータを整理すると、一つの事実が浮かび上がります。
EVユーザーの平均充電時間は約7.7時間─これは、マンションや商業施設の駐車場に車を止めておく時間と、ほぼ一致します。

つまり、「駐車している間に充電が完了する」という条件を満たせる環境が、機械式駐車場にはもともと備わっているといえます。急速充電器のような特別な充電器の設置を必要とせず、夜間の普通充電というEVユーザーの自然な習慣に沿う形で、充電インフラとして機能できるのです。

機械式駐車場はこれまで、「車を安全に保管する設備」として設計・運用されてきました。しかし今後は、「充電インフラを支える設備」としての役割も担う存在として、設計段階からその機能を計画的に組み込んでいくことが求められています。EVの普及がさらに進む中で、この視点を持った駐車場計画が、建物の価値と競争力を左右する時代が来ています。

当社(IHIパーキングスクエア)が中央区月島の大規模再開発タワーレジデンスに納入した超高層フォークパーキングにおいて、EV充電ニーズをかなえつつ省電力を実現した導入事例も、ぜひ併せてご覧ください。

IHIパーキングスクエアが提案するEV充電対応の機械式駐車場

IHIパーキングスクエアでは、こうした時代の変化に対応するEV充電対応の機械式駐車場に関するサービス・情報をご提供しています。

充電システムの概要や充電手順については、IHIパーキングスクエアの「EV充電システムページ」にて動画を交えてご紹介しています。ぜひご覧ください。

さらに、EVの普及に伴い、SUVやミニバンなど大型車両のEVモデルも増加しています。
IHIパーキングスクエアの超大型車対応モデル「グランシリーズ」は、大型EVの車幅やバッテリー搭載による車両重量増を考慮した設計で、国内で販売されているほぼ全ての車種の入庫・充電に対応しています。
実際にマンションへ導入した実機映像も、ぜひご覧ください。

また、週末など利用者の充電需要が集中する場面では、電源容量の確保が課題となる場合があります。IHIパーキングスクエアでは、こうした課題への対応策として「省電力・EV全台充電システム」をご提案しています。
このシステムは、EV充電の同時接続台数をアプリで制御することで、例えば受電設備の容量を従来比1/8に抑えながら、駐車場全台のEV充電に対応するものです。従来の方式では、対応台数分の電源容量(例:32台なら128kVA)を一括で確保する必要がありましたが、本システムでは充電予約アプリを通じて順番に充電を行うため、4台分相当(16kVA)の電源容量で32台のEV充電に対応できます。普通充電(AC200V)専用で、将来のEV普及率に合わせて充電台数を段階的に拡張することも可能です。

充電の仕組みや利用シーンを動画でご確認いただけます。あわせてご覧ください。

EV充電インフラの整備は、単に充電器を設置するだけでなく、将来の利用台数・対応車種・運用方法も見据えて計画することが重要です。

IHIパーキングスクエアでは、新築時の計画から既存設備の改修・リニューアルまで、建物条件や利用状況に応じたご提案を行っています。EV対応の機械式駐車場をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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